私が司法書士を志したのは「家庭(子ども)のために自由な働き方をしたい」「自分にもできそう」「コネや経験がなくても資格があれば独立できそう」という不純な(?)動機でした。
独立開業後の働き方の理想はあるけれど、仕事の内容にはあまりこだわりがない。そんな私がなんとか事務所の方向性を考え、コンセプトを形にするまでの苦労をご紹介させていただきます。
開業したいけれど、他の先生に勝てるような専門知識なんて何もない!という方にもぜひ読んでいただきたいです。
目次
独立開業するまで
私は司法書士になる前は事務職をしていて、合格してから初めて司法書士事務所で働き始めました(就職では司法書士JOBサーチさんにお世話になりました)。
勤務先の事務所では商業登記、不動産登記を中心に担当し、受任から登記完了後の納品まで、基本的な業務はひととおりできるようになり、独立を考え始めました。
専門分野なんてないし、
コンセプトなんて必要?
〇〇専門というとそれ以外の仕事が来なくなるような気がしていた私は、当初仕事を絞らず、オールマイティな事務所にしようと考えていました。それに、〇〇専門と言えるほど自分が詳しい分野もありませんでした(と思っていました)。
でも、無個性な事務所というのは、魅力的でない事務所であり、「司法書士なら誰でもいい」というお客様ばかりで、価格やスピード勝負になってしまいます。それは、私のなりたい司法書士ではないな。と思ったのです。
・・・あれ?私のなりたい司法書士。って・・・
消去法から絞る
「どうなりたいか」はぼんやりしているけれど、「こうなりたくない」ははっきりしていることに気づき、そこから考えることにしました。
今の私の状況では、土日深夜の対応や即日対応(フットワークの軽さ)には限界がある。価格競争に巻き込まれて格安の報酬になるのは避けたい。そして、リスクの高い案件や未経験の案件が来たときは、情報収集や事前準備にしっかり時間をかけたい。
「それは裏を返せば、私はひとつひとつ丁寧に、時間をかけて対応したいということだ」と気づきました。
競合との対比で考える
次に、競合を調べました。私の開業したエリアには駅前だけで5~6件の司法書士事務所があり、そのどこにもなくて、自分にあるものを考えたときに「女性の司法書士が対応する」が特徴になると考えました。
自分の性格、仕事の向き不向き
これまでの社会人経験、転職の経験から、私のモチベーションがどこにあるのかを考えました。
私の場合は取引相手をよく知り、好きになると、その人の為に何かしてあげたいという気持ちが生まれてモチベーションにつながります。それは司法書士という仕事を選んだ理由でもあり、お客さんと直接やり取りをする業務がしたいと考えました。
また、自他ともに認める平和主義で、なるべく紛争性のない仕事をしたいと考えました。
たくさんの人と会って話す
自分を客観的に見ることが必要と考え、司法書士の同期や古い友人知人、元の勤務事務所のボスなど、手あたり次第たくさんの人と会って話をしました。(ちょうど退職して無職だったので、時間がありました。)話しながら自分の考えがまとまり、他人との違いに気づけることが多かったです。
普段は無意識でやっていることだけれど「初対面の人とすぐに仲良くなれる」「謙虚で誠実」「事前準備をしっかりする」ことが私の長所だと気づきました。
AIに相談する
困ったらAIに聞いてみる人も最近は増えてきたと思います。開業準備でもAIは活躍してくれました。
AIに司法書士業界で今後伸びる分野、これから勉強するならどんな分野がいいか?と聞いてみました。都心と地方、競合がやっていないことの中で・・などいくつか質問を重ね、AIがあげてくれた分野を自分なりに調べて絞っていきました。
その中で、今年法改正のあった区分建物は自分の生活にも身近なものであり、勉強すれば自分の為にもなるので、勉強してみようかな。と考えるようになりました。
専門分野とコンセプトを決める
ここまで来れば、なんとなく自分の事務所のコンセプトがぼんやりとですが見えてきました。コンセプトは「女性司法書士が丁寧に寄り添い、対面でのコミュニケーションを重視して、安心感を提供する」に決めました。
対面重視のため、ターゲットは近隣に住む方で、専門家とのやりとりに不慣れな人(会社員やその家族)、女性がキーパーソンとなる家族であると考えました。
また、分野としては当事者と深く関われる相続や後見を足がかりとして、時間がある間に「おひとりさま向け終活支援(任意後見)」「マンション管理会社の支援」もできるように、勉強をしていこうと思っています。
最後に
専門分野や事務所コンセプトがなければ開業できないわけではありません。
私の開業した地域は同業者も多く、助けてくれる人が近くにいる安心感の反面、基本的な定型業務は既にレッドオーシャンでした。そのため「自分を売り込むために必要に迫られて考え始めた」というのが実際のところです。
私にとって「他とは違う自分らしさ」を掘り下げて考える作業は自分の未熟さを感じる場面も多く、楽なものではありませんでしたが、それを無意識に避けてきた自分にも気づき、開業する今、しっかりと向き合って良かったと思っています。
専門分野やターゲットは時代に応じて変わっていくかもしれませんが、コンセプトはそのまま自分の仕事のスタンスでもあります。そのコンセプトを掲げた自分の事務所がこれから始まることに今はとにかくワクワクしています。
末筆ですが、開業に向けて支援応援してくれた皆さんに心から感謝し、御礼申し上げます。













