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ママ受験生の就活日記〜資格なし実務経験なしでも司法書士事務所に就職できた主婦の話〜

ママ受験生の就活日記 〜資格なし実務経験なしでも司法書士事務所に就職できた主婦の話〜

はじめに

はじめまして。司法書士受験生兼補助者の「ももママ」です。
今回は子育て中の受験生という立場で司法書士事務所への就職活動をした私の経験をご紹介します。

子育て以外にも介護やご家庭の事情でフルタイム勤務が難しい。
でも、司法書士事務所で働いてみたい!興味がある!という人々のお役に立ちましたら幸いです。

司法書士事務所への就職を考えたきっかけ

私は、これまで専業主婦で2人の子供を育てながら受験勉強を続け、今年度初めて午前午後の基準点を超えることが出来ました。第二子は未就学児のため手がかかり、時間をやりくりしながらの受験生活を3年程続けていて心身ともに限界を感じました。

そこで、本試験の結果が合格でも不合格でも今までとは違う生活を送りたい。
また、実務を経験し1日でも早く1人前の司法書士になりたいと思い事務所で働くことに決めました。

勤務するにあたり自分の中で以下の基準を定めました。

  1. ① 希望の勤務条件であること
  2. ② 休みが取りやすい環境
  3. ③ 幅広い業務が経験できる
  4. ④ トイレが男女別
  5. ⑤ 自宅から通勤40分圏内

①に関しては、今の家庭状況から私がフルタイムで働くのは難しいと判断しました。
また、仮に不合格で受験生活を続けることになった場合、時間の確保も必要となるため週に3日程度かつ短時間勤務が理想でした。

②は家族の用事や研修等で休みが取りやすい環境が良く、そうなると必然的に職員が多い事務所という方向性が見えてきました。

③は将来的には独立を考えており、どんな業務でも対応できるよう不動産・商業問わず幅広い業務の経験は必須だと思いました。

④は非常に申し上げにくいことですが、私にとって職場のトイレが男女共有は抵抗があります。立って用を足す男性がトイレを使用すると、壁や床に尿が飛び散ります。便座が上がったままなんてこともあります。そのような後にトイレを使用するのは嫌な気持ちになります。私は普段の生活においてもコンビニ、新幹線など共有のトイレをなるべく避けて生活しているので譲れないポイントです。

小さい事務所だと現実的に難しいと理解していますが、1日の大半を過ごす職場においてトイレは重要です。
試しに身近な女性4人に「職場のトイレは別が良いか?」と聞いてみたら全員が別がいいと答えました。男性には見えない視点ではないかと思います。

⑤は子供の送迎の関係で通勤時間が1時間超の事務所は選択肢から外しました。
また、家族に何かあった時に早めに駆けつけられる距離で働きたいと思いました。

就職活動への不安を司法書士の先輩方のアドバイスで解消!

私は当初、上記の①②のような都合の良い条件の事務所があるのか不安でした。
なぜなら、事務所の経営側からしてみれば、資格者でもない中途半端な人材を雇うより、フルタイムで勤務できる人材が欲しいだろうと考えたからです。

応募すること自体が失礼に当たるのではないかと、なんとなくX(旧Twitter:以下省略)で
「そんな都合の良いアルバイトはあるのでしょうか」とつぶやいてみました。

すると、合格者の方から「そんな都合のよいアルバイトはあると思います」や、事務所経営されている司法書士の先生からも「ウチは週4と週3でやってます。割とあるような気がしますね」とコメントを下さいました。

業界未経験の私にとっては有り難い情報で、就職に対して前向きな気持ちになることができました。

また、実際に事務所勤務をしている資格者や補助者の知人に仕事の内容や事務所の評判を聞いたりしました。

そして、1番の心配事は私の職歴でした。大学卒業後、一般企業に数年勤務したのみ。
転職経験もなく、専業主婦歴が10年超!こんなに仕事のブランクの長い人材を雇ってもらえるのか非常に不安でした。役立つ資格は自動車免許くらいで、あとはパソコンが使える程度でした。
予備校の先生にご相談したら「コミュニケーションがきちんと取れて、パソコンが使えるなら大丈夫ですよ」と背中を押していただけました

履歴書や職務経歴書は夫に添削をお願いし、面接に関するアドバイスをもらいました。

Xでの司法書士の先輩方をはじめ、受験生仲間、家族等たくさんアドバイスや協力で就職活動を始めることができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

使った求人媒体

私は大手の人材エージェントは利用せず、以下2つの求人媒体を使いました。

  • ・司法書士会の求人情報(勤務希望地の都道府県のもの)
  • ・司法書士JOBサーチ

 
どちらも現役の司法書士の先生オススメの求人媒体です。

大手のエージェントを利用しなかった理由は、私は資格者でもフルタイム希望でもないからです
採用の成功報酬として事務所側からエージェントへ採用した人の年収の3割程度を支払うと聞きました。
エージェント側は、アルバイト希望の私へ仕事を熱心に紹介するメリットがありません。
また、登録すると仕事紹介や広告メールが毎日のように来るのが煩わしく使いませんでした。

司法書士会の求人情報は事務所側は無料で掲載できるため小規模な事務所が多い印象です。
ホームページを持たない事務所の求人も載っています。
市や区の単位で事務所の所在を選択できるので勤務地を細く絞りたい人、家の近くで働きたい人にお勧めです。
また、ホームページに採用応募フォームがある事務所には直接応募しました。

司法書士JOBサーチについて

私が就職活動をしている旨のXの投稿をご覧になった「あなたのまちの司法書士事務所グループ」の佐藤先生からお勧めされたことをきっかけに使ってみました。

司法書士JOBサーチの良かった点

  • ・個人情報を登録せずに使える
  • ・検索で勤務地(都道府県単位)や条件(時短勤務可能)で絞れる
  • ・応募フォームがシンプル(名前・連絡先・資格の有無・実務経験・年代)で気軽に応募できる
  • ・質問フォームがあり応募前にも事務所に質問できる
  • ・スマホで見やすく、操作が簡単
  • ・文字だけの司法書士会のホームページに比べ、写真が載っているので職場のイメージがもてる

最後に

私は3つの事務所に応募し、面接していただきました。
心配していた職歴のブランクは子育てという理由だったので特に不利にはなりませんでした。
未経験であれば、コミュニュケーション力とパソコンスキル(ブラインドタッチ、Word、Excel、ビジネスメールのマナー)があれば十分だと感じました
逆に、面接では子育てしながら勉強を続けていた努力を認めていただけて嬉しかったです。
結果、内定をいただいた中から①〜④の条件が揃った上、尊敬できる所長の元で働きたいと思い今の事務所に決めました。⑤の通勤時間は多少オーバーしましたが、許容範囲です。

現在、アルバイトの補助者として週3日、希望の時間で働いています。
家族と過ごす時間や勉強時間もバランス良く取れていて充実した毎日です。

これから就職活動をする人へのアドバイス

① 業界に詳しい人から情報収集する
② 自分の中で働く基準を明確に作る
– どうしても妥協できない事を考えておく(トイレ)
– 逆に妥協できる事は何かも考えておく(勤務地など)
③ 面接では必要以上に自分を良く見せようとしない。素直にありのままが良い。

①情報収集は、私のようにXを使ったり、受験生仲間、予備校の先生など色々な人の意見を聞いてみるのがおすすめです。

②あらかじめ自分の中での軸(職場環境、労働条件、どんな業務を中心にやりたいか等)を決めておくと迷った時に役立ちます。

③私は実際の面接で「私は合格推定ではありません。受験生活を続ける前提です。」と正直に話しました。
それでも採用して頂けたので素直な姿勢が一番だと実感しました。

事務所勤務に興味がある方は、是非「司法書士JOBサーチ」で検索してみてください。
きっとご自身の条件にあった事務所が見つかるはずです。

私の経験が少しでも読者の皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

【執筆者紹介】

司法書士受験生 ももママ
都内の司法書士法人に補助者として勤務 

2児の母 ママ受験生の日常を投稿しています
@Momo_mama_law/ X(旧・Twitter)

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