ごあいさつ
皆さまはじめまして、司法書士の山崎勝弘と申します。
平成17年に司法書士試験に合格し、平成22年から地元の千葉県館山市で開業しております。
司法書士JOBサーチさんのコラムでは『地方開業と地方の事務所での勤務』というテーマで一度お話をさせていただきましたが、今回は私が司法書士を知ったきっかけ、司法書士を目指したきっかけについてお話させて頂こうと思います。
司法書士という職業との出会い
司法書士という職業はかなりマイナーな職業ですので、親族が司法書士という方を除いては大人になってから司法書士という職業を知った、目指すことを決めたという方が大半かと思います。
ところが私の場合はそうした事情がないにもかかわらず司法書士という職業を知ったのはとても早く小学5年生のときでした。
私には小中高の学生時代に同じクラスだった仲の良い友人がいるのですが、小学5年生のときにその友人の家に遊びに行った際、その友人のお父さんが司法書士というお仕事をされていることを知りました。
その時はまだ司法書士が具体的にどのような仕事をするかなどは理解していませんでしたが、なぜか「司法書士」という響きが自分の中で特別に強く印象に残ったことを覚えています。
司法書士を目指すきっかけ
それからしばらくして、今度は私が司法書士を具体的に目指そうと思ったきっかけになる出来事が中学3年生頃に起きます。
私の実家は自営業を営んでいるのですが、当時業務に関する契約書の解釈が問題となり弁護士を代理人に立てるという出来事がありました。
それは我が家にとって大きな出来事であったため私も両親からいろいろと話を聞いていたのですが、その中で法律には「強行規定」というものが存在し、当事者間の合意よりも法律の規定が優先される事柄があるということを知りました。
これを知った私は、自分が将来大人になって社会に出た際、法律を知らないとそれによって不利になる可能性があると感じ、「それなら仕事は法律関係が良いのではないか、友人のお父さんも館山で開業しているし、司法書士になれば自分も地元で仕事が出来るのではないか。」と考え、自分の中で司法書士という職業を選択したいという思いが具体的に芽生えました。
こうしたことがきっかけとなり、大学進学では法学部を選び、その後時間はかかってしまいましたが、なんとか司法書士試験にも合格して司法書士になることができました。
司法書士としての暮らし
司法書士試験合格後は3年半ほど都内の事務所で勤務を経験した後、地元で開業したのですが、開業直後に行われた支部の懇親会では私が司法書士という職業を知るきっかけになった友人のお父さんともお話をする機会があり、「先生の存在が私が司法書士になったきっかけです!」とお伝えしたら、満面の笑みで喜んで頂けました。
残念なことにその先生はその数年後に他界されてしまったのですが、私が司法書士になるきっかけを生前に直接お伝えすることができたのは良かったなと思っております。ちなみに縁とは不思議なもので、その友人も私と同じ年に司法書士試験に合格し、今は地元にいる同期として日々業務について相談し合う関係になっています。
それからあっという間に月日が経ち、開業して15年が経過しましたが、現在の生活は有難いことに司法書士の受験勉強を始める際に目標とした生活が概ね実現できています。
目標といっても、「生まれ育った地元で家族ともに地域に根差して暮らし、趣味の植物を育て、法律を使って生活に困らない程度の収入を得る。」たったそれだけのことですが、私にとってはこの生活が理想とする生活であり、この生活を実現してくれた司法書士という資格には本当に感謝しています。(サムネイルの私の画像は地元のお祭りに参加した際のものです。)
なお、私が司法書士試験の勉強を始めた当初はまだ成年後見制度も簡裁代理権の制度も始まっていなかったので、いざ自分が司法書士となって成年後見人となったり債務整理業務を行うことになったときはとても不思議な感じがしました。
これは自分の司法書士像として想像できなかったことですが、司法書士の業務は今も変化し続けているので、こうした時代の変化には敏感に対応していく必要性を感じています。
これからに向けて
最後に、私は今年で50歳になるのですが、最近は自分の残された人生を逆算して日々の生活を送るようになってきました。
そんな中で、人生とは人と人が互いに影響し合いながら送るもの、そして、自分が誰かの人生に良い影響を与えられたら幸せだなと感じています。
私はまだ人から目標とされる司法書士になれている自信はありませんが、私が友人のお父さんの存在がきっかけで司法書士を目指したように、いつか私の存在をきっかけとしてこの業界に入る方が出てくれたら本当に嬉しく思います。
司法書士という資格は多様な生き方を実現できる可能性を与えてくれます。
近年は司法書士を目指す若い方が減ってきてしまっているので、特に若い方々に司法書士のそうした魅力を伝えていけたらと思っています。