操作そのものは簡単
第1回「司法書士のための電子署名の基本」
第2回「日司連の2つのシステムの解説」
今回は、共同代理申請をオンライン申請で行う場合の、操作方法について説明します。
操作自体は大変簡単です。
申請用総合ソフトの「データの書き出し」「データの取り込み」を繰り返すだけなのですが、時系列にまとめると次のようになります。
- 買側司法書士が申請書データを
作成します
↓ - 買側司法書士は、申請用総合ソフトの「ファイル」→「データの書き出し」で、申請書データをデスクトップ等
任意の場所に保存します
↓ - 売側司法書士に、申請書データを
メールで送信します
↓ - メールを受け取った売側司法書士は、申請用総合ソフトの「ファイル」→
「データの取り込み」で、
申請書データを取り込みます
↓ - 売側司法書士は、申請書データに
登記原因証明情報のPDFと
登記識別情報提供様式を添付、
司法書士電子署名を
付与し、
申請書データを完成させます
↓ - 売側司法書士は、申請用総合ソフトの「ファイル」→「データの書き出し」で、申請書データをデスクトップ等
任意の場所に保存します
↓ - 買側司法書士に、申請書データを
メールで送信します
↓ - メールを受け取った買側司法書士は、申請用総合ソフトの「ファイル」→「データの取り込み」で、完成した
申請書データを取り込みます
↓ - 買側司法書士も司法書士電子署名を
付与し、登記申請をします
実際の決済現場はどうなる?
問題なのはここからです。実際の決済前後の司法書士の主な作業に落とし込んでみます。
まず、共同代理を書面申請で行う場合の主な作業をまとめた図です。

次に、共同代理をオンライン申請で行うため、売側司法書士が決済現場にパソコンを持参し、その場で操作する場合をまとめます。

最後に、共同代理をオンライン申請で行うため、売側司法書士が決済現場にパソコンではなくモバイルスキャナーかスキャナアプリをいれたスマホを持参し、現場で預かった書類をその場で撮影、事務所の補助者に送信するような場合です。

さて、先のコラムでも説明した通り、電子署名を付与すると修正ができません。
それはしほうサインの場合でも、申請書データに司法書士電子署名を付与する場合でも同じです。
つまり、売側司法書士が自分の電子署名を付与するまでに、登記原因証明情報PDFや登記識別情報提供様式を添付して、送信できるレベルの申請書データ一式を完成させなければいけない、ということです。
申請書が書面であれば、申請書に押印・契印をした後に、添付書類に押印をもらうことが出来ますし、預かった添付書類をクリップやホチキスでいくらでも付けられますね。
しかし、オンラインの場合は、まず添付書類を預かり、速やかにPDF化して申請書データに添付し、電子署名を付与して、買側司法書士に送る…という新しい業務フローの構築が必要になります。
そして、一般的に売側司法書士の報酬は低いです。
にも関わらず、売側司法書士には、新しい業務フローの構築といった追加の負担が発生します。
これが、共同代理オンラインが広がらない大きな理由だと思われます。
(兵庫県会の先生からは、「買側司法書士がスキャンやデータ添付等の作業を行い、申請書データを完成させる」、つまり売側司法書士は、データを受け取り、司法書士電子署名を付与して返信するだけ、という方法のご紹介もいただきました。)
また、せっかくオンライン申請しても、売側司法書士は申請の進捗状況が見えません。作業負担は増えるのにオンラインのメリットでもある進捗状況も見えないのです。
まとめ
以上の通り、書面申請では、売側司法書士が押印した後でも添付書類の作業が出来ますが、共同代理オンラインは、電子署名を付与する前に、添付書類まですべて仕上げる必要があります。
これは、「書面とオンラインの取扱いの差」ではないでしょうか。司法書士電子署名を付与した後、申請書データを触れないのは分かります。
しかし、添付書類までロックがかかるのは紙との著しい違いです。登記原因証明情報PDFや登記識別情報提供様式など添付書類の操作ができるよう、システムを変えてほしいと思います。
そのためには各地の司法書士が声をあげる必要があります。
ここまでコラムをお読みいただいた上で恐縮ですが、ぜひ地元単位会から声をあげていただくようお願いしまして、終わりにしたいと思います。
余談(共同代理と添付書類のPDF化)
さて、終わりにすると言いつつ余談です。関西の司法書士のみなさん、共同代理で、売側の司法書士がPDFで添付書類を作ってきたらどうしましょう?
…現時点でここをチェックしたら大丈夫、という指針はありません。
また、売側司法書士が有効性や一致性を検証した電子署名付PDFファイルについて、買側司法書士のアカウントで確認する仕組みもありません。(売側の先生のパソコンを、目視で確認するぐらいしか…)
ただ、PDF表示・閲覧ソフトの署名パネル機能と、公的個人認証サービスポータルサイトが出している「JPKI利用者ソフト」を使い、誰の電子署名か、一応、確認できなくもありません。
PDF表示・閲覧ソフトの署名パネルから、証明書の詳細を見ていき、証明書ファイルを書き出す機能を探してください。
これを使って、証明書ファイルを適宜の場所(デスクトップ等)に保存します。
そして、JPKI利用者ソフトの「その他の証明書」を選択し、先ほど保存した証明書ファイルを読み込ませます。
これで、電子証明を付与した人の情報を、一応見ることができます。
ただし、有効性の確認などはできませんので、これを見ただけで買側司法書士として振込OKを言って良いかというと…良いと言い切れません。
しほうサインや確認システムが、分かれに対応したなんらかのアップデートがされるよう、関西からはさらに声をあげる必要があると思います。












