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勤務のススメ

はじめまして!司法書士法人CSPの代表 新井慶治と申します。
「合格した後どうするべきか?」でお悩みの方を対象に私の経験談を交えながらお話しできればと思います。

司法書士を目指すきっかけ

まず、私自身の経歴をご紹介させていただきます。

福岡県出身で親族に自営業者が多かった影響もあり、幼いころから「いずれは起業する」ことに関しては漠然とではありますがヴィジョンを持っておりました。

とは言うものの何の仕事をしたいとかは全くなく、それに加えて小心者の為なるべくリスクが少なく儲かる仕事はないのか?なんてことを考えておりました。

転機が訪れたのは大学2年生の時でした、当時のクラスメイトのA君、彼はあまり学校の授業に来なかったのですが、何故なのか?その理由を聞いてみました。

そうすると彼の答えは「学校の授業受けるよりも資格を取った方が人生有利なんや、俺は司法書士になる」ということでした。「司法書士??」資格の名前も知らない私はとりあえずA君の勧めるままに宅建の勉強を始めました。

幸い2か月位の勉強で宅建は合格したので次にどうするか?を考え、LECのパンフレットや資格ガイドみたいな書物を読み漁り、司法書士と土地家屋調査士のシナジーが自分には向いていると、勝手に思いこみました。

とはいうものの司法書士は合格率3%以下、自分のような平凡な学歴の人間が果たして合格できるのか?その不安は拭えません。

そこでまずは難易度の低そうな土地家屋調査士の勉強を始めることにしました。大学3年当時(平成9年)LECの基本講座を申し込みましたが遊びが忙しく、ろくに授業も受けませんでした。

そのくせ将来は開業するからと就職活動も大して行いませんでした(単位がぎりぎりで卒業が危なかったという理由もあります。) 

何とか卒業できましたが他には何も計画のない状況、前述した資格ガイドに「勉強させてもらった師匠の近くでは開業しない方がよい」という言葉に従い大阪に残り補助者をすることに決めたのです。

幸い大阪土地家屋調査士会に求人があり調査士事務所の面接に向かったのですが中には作業着の人ばかり、試験勉強の入り口しか知らない私は所長に「測量は誰がするんですか?」と頓珍漢な質問、それでも畑違いの私を向かい入れて頂き3年の年月が経ちました。

仕事はハードでしたが今思えばありがたい経験でした。しかし相変わらず自分に甘いため勉強は全くしませんでした。このままではダメだと、退路を絶って福岡へ戻ることを決意いたしました。

福岡に戻った年に調査士試験は突破しました。その時26歳(平成14年)、結構高得点だった事もあり、そのまま司法書士試験に挑むことになりました。

調査士の同期合格者も何名か挑戦しましたが合格したのは私だけでした。(私は受験時代は独身で定職に就いていなかったのが結果として良かったと思ってます。)

ちなみにA君ですが司法書士試験には合格出来なかったものの行政書士試験には合格したと聞いていますが、現在は別の仕事についているそうです。結局資格試験は土俵に上がるためのもので独立開業にはプラスアルファの能力や適性が必要だということだと思います。

合格その後

司法書士試験は3回目の30歳(平成18年)で合格いたしました。その頃は今のような大手法人は少数でしたが、過払いバブルで多くの事務所が求人を出していました。にもかかわらず私は面接で2回落とされてしまいました。(笑)

配属研修先にその旨を伝えると「新井君なら独立しても大丈夫じゃない?」と根拠に乏しいお墨付きを頂き、勢いだけで独立することを決意いたしました。(この時まだ独身、守るものも特になし)登録申請から受理迄は期間があるので配属先の先生に無理を承知で研修の延長をお願いしました。 

調査士事務所にいたので法務局の仕組みや登記簿などは多少慣れはありましたので、先生には期間中にとにかく決済の現場に連れて行っていただきました。

開業その後

狭いオフィスを借り複合機とパソコンを購入し開業しましたが金なし、人脈なしの状態でとにかく暇でした。

支部の相談員に登録していると定期的に債務整理の紹介が来ていたので当初はそれが本当に助かりました。そのうち徐々に登記の依頼も増えていくわけですが、今になって振り返るとすごく綱渡り的な仕事をしていたなと冷や汗が出ます。

補正で付箋だらけの申請書、施設に入っている方の意思確認はどこが判断基準なのか?この依頼を受けるべきなのか?先輩が身近にいれば学べることを自分で判断しなければならないのが独立司法書士の弱みだと思います。

勤務のススメ

そんな私の体験を踏まえ、合格者の皆様には私とは違う「勤務」を経験されることをお勧めいたします。理由は前述したように私がすぐに開業して未熟な部分を抱えたまま今に至るからです。

即独立すると最初こそは収入という意味では勤務の方より多く得る可能性もありますが、長い司法書士人生においては誤差の範囲内だと思います。

やはりきちんとした(出来れば司法書士会や青年会などの経験が豊富な)先生のもとで執務姿勢や司法書士業界に対する考え方を学んで頂きたいなと思います。即独立したら仕事をとることや売上に目が行ってしまい本来学ぶべき事が欠けてしまいがちです。

それに加え研修では学ぶことができない業界人としての経験を勤務時代に積むことが出来ます。

最後になりますが、一度独立してしまえば再び勤務に戻ることは困難です。
出来れば勤務時代にしっかりとスキルやマインドを身に着けてから独立することをお勧めいたします。

皆様の輝ける司法書士人生の参考になれば幸いです。

【執筆者紹介】

司法書士 新井慶治(司法書士法人CSP)

〒802-0801 
北九州市小倉南区富士見二丁目15番2号
TEL: 093-383-7096
FAX: 093-383-7097
http://www.cspjs.jp/

Twitter
https://twitter.com/Y5nBhvv1eeoaW3S

司法書士法人CSP(福岡県北九州市)の求人情報
https://s-jobsearch.jp/office/2492/?post_id=2492

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