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~紹介営業のススメ~

京都市で去年(令和4年)の年明けに開業いたしました。
EAST-1法務事務所の髙橋と申します。

佐藤先生からお話をいただき、稚拙ではありますが私の開業一年目のお話というか、いかに案件を得ているのかをお話させていただきます。

何分気まぐれかつ時折アルコールも入って書いているものと思われるので、こういう人も居るんだくらいで読んでいただけると幸いです。

略歴

まず、軽く略歴を。学歴は高校中退、職歴は十代から三十路手前までほぼずっとホストクラブにてホストとして働いておりました。

ほぼと申しましたのは、一部スカウトや宝石関係の仕事にも就いていたからです。ホストクラブは経営もしたりしました。ギャンブルにハマって1年持たずに閉店に追い込まれましたが。

その後はプレーヤー(いちホストに戻って)としてホストクラブで働き続けていました。

司法書士を目指したきっかけについては、多くの先生方が持っておられるような高尚な想いの欠片もなく、元ホストが法律関係の国家資格を取って実務に出れば目立てると思ったからです。

三十路を手前にして、ろくな学歴も職歴もない自分が何とか自分のキャラクターを保ったまま生きていくにはこれしかない!(体力がなかったので力仕事が嫌だったというのは内緒です。)そう自分に言い聞かせながら。

しかも、それを思い付いたのは某〇-キャンのCMを見てノリと勢いで決めたのがホスト時代末期という無計画。

そもそも、司法書士が何たるかを知らず行政書士の存在さえ知らなかった私が諸先輩方の末席に鎮座しているなど、冷静に考えれば恐れ多いことなんだなぁ~と思ったり思わなかったり。

そうしているうちに紆余曲折ありまして、紹介でとある田舎のトリプルライセンス先生(司法書士・行政書士・社会保険労務士)の事務所にコネ(その前に勤めていた行政書士事務所の先輩の紹介で)で入所いたしました。

司法書士事務所入所~独立

入所当初は試験合格前でして事務員として司法書士の補助的な業務と営業を中心に働いておりました。

司法書士の業務については、不合格ながら合格点付近をうろついていたこともあり、徐々に慣れていったのですが、私の登録地では行政書士登録をしていると補助者登録が不可のため一事務員として書類作成を行って参りました。

その事務所で徹底的に叩き込まれたのは本人・意思確認をしつこいくらいにしろということでした。
現在でも、同期にはチャラチャラ飲み歩いている割には厳格よねと呆れられるほどです。

さて、ここからが本題なのですが、私は令和4年1月に開業いたしました。
皆様のお力添えもあり、今のところ自分としては売上に困っているという状況はありません。

無論、大きな企業の締日払い等で一瞬キャッシュフローが悪くなることはありますが、大した資金も用意せず、勢いだけで開業したにしてはそれなりの一年を過ごせたように思います。

紹介営業について

では、いかにして売上に困らなかったのか。

まず、私の売上の簡単な内訳ですが、税理士さんから6.5割、他士業2割(主に弁護士と行政書士)、不動産業者1割、その他0.5割です。これは勤務時代から大きく変化のない割合です。

何事も怠け者な私ですが、こうして統計を取ってみると面白いものだなと思います。

不動産の取引における決済立会をメインにしている先生方から見れば不思議な数字かもしれませんが、商業登記メインの先生方から見れば税理士さんから来る仕事の割合が低いのかもしれません。

次に、私の営業手法と仰々しくいうほどのものではないのですが、普段心がけていること、実践していることを書いてみます。もしかしたら、それはお前にしかできないんじゃね? 的なご指摘を受けるかもしれませんが、私はこの方法しか知らないのでここはひとつご容赦を。

まず、怠け者な私のスタンスとしては、自分のできることに対して深化するための勉強は惜しまないが、資格上できたとしても自身で把握している能力以上のことに手を出さないという点にあります。

非難を承知で言えば、簡裁代理権は持っているものの極力使わないし、行政書士の業務も一部しかやりません。

せっかく独立したのだから、自分のやりたい業務で依頼人の力になり、自分のできない又はやりたくない業務はその道のプロにお任せする自由があってもいいじゃない、そんな感じです。

そこで必要なのが各分野の専門家との繋がり。主に他士業の先生方の存在です。

幸か不幸か、身のこなしや雰囲気が司法書士っぽくないのか、頭の出来がよろしくないのが相談者様に見抜かれているのか、この人だったら難しい言葉を用いて説明をしないと思われているのか、とりあえず私に相談してみようという流れから資格外の相談の窓口になることが多いのです。

その際の私の役目は、自分ができることは自分で遂行し、できないことは他士業の先生方やその道の専門家をお繋ぎするということです。

無論、そのスタイルを貫くためには、そもそも他士業の先生方等の専門家とのコネクションがなくてはなりません。

私は、「私はその業務をできない又はその分野に明るくないが、プロは知っている。どんな方がいいですか?」

このセリフを言うために自身の感性に近い他士業の先生を知り合いの経営者や同業者からの紹介、異業種交流会等で知り合ったりしたのをきっかけにまずは仕事抜きで飲みに行きました。

と宣いながら、飲んでるうちに当初の目的を忘れ、進む酔いに任せ、ただ楽しいという感情の描き出す惰性の曲線を描くことがほとんどですが……

二日酔いの頭を働かせながらも、それはそれでいいじゃない。自分みたいな変人に酒を付き合ってくれるんだから、きっと好い人じゃなかろうかといつも言い訳なのかよくわからないセリフを独り言しているとかいないとか。

そして、感性が合うなと感じた方には、まず先にこちらからお仕事をお願いしてみる。
このあたりのスピード感には少しこだわっているつもりです。

記憶が新鮮なうちに仕事を紹介してみるという事実の持つ威力は、100の条文や先例、レアな事例を知っているよりもインパクトがある、そう信じながら。

とはいえ、いかに士業の先生方とはいえ、交流の浅い人間に大事な・自分を頼ってきた人間を紹介していいのかというご批判があるとして、それはもっとものことなのですが、そもそも知り合ってからの年月が長くとも、実際に一緒に仕事をしたり、紹介して実際に仕事をしていただかないとその先生の力量や接遇の質などわかることはないので、交流の年月の長さはさほど問題ではないと思っております。

もちろん、紹介先に不手際があった際の責任を負う覚悟なしではできないのは言うまでもありません。そして、この業界に入って現在まで、紹介先のクレームをいただいたことはほとんどありません。

また、士業の人間は少なからず癖があるのは自分も含めてわかっているので、この資格はこの先生という固定はせずに自分の感じた紹介先と相談者様の相性、地域、性別、分野を考慮した上で、案件ごとに緩いアライアンスを組んでその案件に対しての最適解を目指して突き進むことを常に念頭に紹介先を決めていくというやり方を採っています。

あるとき、とある税理士の先生に「歩く士業マッチングアプリやな」と言われました。

これって言い得て妙だなぁ~と思いながら、実際に結果に表れているんだからこれでいいんじゃねと顧問税理士の先生に提出する領収書の控えを見ながら何とかこの一年をやり過ごしてまいりました。

最後に

何かこういう長文を書くことがあまりないので、読み返してみると実に下らないことを長々と書いているなと自分に苦笑しながら、そろそろ締めに入りたいと思います。

合格からまだ日が浅い先生方、司法書士っていい意味でゼネラリストになる可能性を大いに秘めた資格ですよ。

この極めて怠惰な人間が、貯金もせずに週に何度も飲み歩いたり、たまたま売上がいいと勢いで高級時計買ったり、一晩で飲み代を使い過ぎて御屋形様(奥様)の逆鱗に触れないかと日々ビクビクしながらも、自分のできない・やらない分野を補ってくれる協力先を見つけるだけで何とか健全な経営をしていけるもんだぜって、小さい声で言いたいです。

最後に「俺は勤務の星になる。絶対に独立はしない」と言い切っていたのをアッサリと覆したことだけは関係各位にテヘペロって感じで謝罪したいと思います。

令和5年1月中旬には仕上げるつもりが遅くなった「せーじ」より

【執筆者紹介】

司法書士・行政書士  髙橋 誠治
(司法書士・行政書士EAST-1法務事務所)

〒614-8038
京都市下京区仏光寺通烏丸東入上柳町331番地タカノハスクエア4階
TEL 075-366-4449/FAX 075-320-5124

ホストから司法書士・行政書士。
ホームページなし、紹介のみ。
許認可・入管やらない。いつも飲んでる。

Twitterリンク
https://twitter.com/east_1_tkh

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