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地方開業のリアル

宮崎名物といえば、皆さんは何を思い浮かべますか?
 
チキン南蛮?

地鶏の炭火焼き?

もちろんこれらも大変美味しくておススメなのですが、県外からの友人をもてなす際は、鳥刺し(宮崎でしか食べられない、新鮮な生の鶏肉。)か、牛肉(宮崎牛に限らず、宮崎にはおいしいブランド牛が沢山あります。) の美味しいお店をチョイスすることが多いです。

おなか一杯になってもらった後は、お酒が好きであれば宮崎の焼酎を堪能しに焼酎バーへ。
最後は辛麺か釜揚げうどんで締める、といった流れがマイ定番となっています。

あとはお土産に、チーズ饅頭(←知らない人は今すぐググって!)もいかがでしょう。
 
そして宮崎は食べ物がおいしいだけでなく、晴天率が高く、穏やかな気候が魅力の地。
雪はほとんど降らず、住みやすい環境が広がっています。

 
・・・どうですか?宮崎に、心奪われませんか?
 
私は、そんな宮崎で司法書士事務所を開業しております。
本コラムでは、私の経験した「地方開業司法書士の現実」をお伝えいたします。
地方での開業を考えている方はもちろん、迷えるすべての勤務司法書士の方々に、少しでも参考にしていただけましたら幸いです。
 

自己紹介

改めましてこんにちは。
司法書士の早日渡圭一郎と申します。
地元である宮崎県宮崎市で、「はやひと司法書士事務所」を経営しております。

合格後は、宮崎の事務所で半年弱、ありとあらゆる業務を満遍なく経験させていただいた後、独立しました。
現在、司法書士1名・補助者2名(パート)の小規模事務所で、開業9年目になります。

合格直後

合格直後の私は、「将来的には地元で開業して細々と暮らしているんだろうなぁ~…」程度で、司法書士としての将来について明確なビジョンが描けずにいました。
 
司法書士の知り合いもほとんどいなかったのですが、ひょんなことから宮崎県青年司法書士会(=若手(といっても30〜40代)の司法書士で構成されている任意団体。)の忘年会に参加させていただいたのがキッカケで、私の独立に対するハードルが一気に下がっていくのでした。

開業の決意

私が独立開業を決めた理由は、大きく2つあります。
第一に、『宮崎の同業の先輩方がとても優しく、質問すれば何でも惜しみなく教えてくださる空気があった』こと。
独立直後は、大きな不安を抱えながら仕事していかねばなりません。そんな時期に先輩方のアドバイスをいただけたのは、とても心強かったです。
宮崎は同業者間の競争や上下関係もほとんどなく、ゆる〜い雰囲気でお付き合いさせていただけているのがとても有難いです。
 
今でも、先輩や後輩に電話したり一緒にお酒を酌み交わしながら、登記手続きや法律の解釈論、経営に関することなどなど、ざっくばらんに意見交換しています。おかげで余計なストレスを抱えることなく、毎日楽しく働けています。
 
第二に、
業歴30年以上の尊敬する先輩に言われた言葉があります。
 
『この仕事は、何年やっても毎日のように知らない事にぶち当たって苦労させられる。だから面白い。』
 
司法書士は良くも悪くも真面目な人が多い業界でして、兎角「ほぼすべての業務をマスターしてから満を持して独立したい」などと考えがちです。しかし、司法書士の業務は複雑多岐に渡り、毎日毎日イレギュラーな困難事例にぶち当たります。
 
そこで大事なのは、「複雑怪奇な事案にも、臆せず全力で取り組む姿勢」だと思います。
それを独立前に知れたことは、その後の私の司法書士人生に大きな影響を与えました。

どこで開業すべきか

独立を決意したとして、じゃあ、どこで開業するのが良いのでしょうか。

人口の多い都会??ライバルの少ない僻地??路面店??駅近??駐車場は??
 
基準は様々ですが、僕が開業地として宮崎を選んだ理由は、

・地元で土地勘があり、知り合いも多い。

・田舎とはいえ県庁所在地なので、急激な過疎化の可能性が低い。

・都会は競争とかありそうで怖い。

・満員電車に乗りたくない。(宮崎は車社会。)

・宮崎は食べ物がおいしい。

・宮崎は住みやすい。


くらいです。
 
実のところ、「地元だから」というのと、「他の選択肢があまりなかったから」というのが大きかったです。

ちなみに物件を選ぶ際には、

・法務局や市役所までそんなに遠くない(行くのが苦にならない距離)。

・1階の路面店。

・事務所の目の前に駐車場が2台(自分用とお客様用)確保できる。

・自宅から近いけど近すぎない。

あたりを条件に探しました。

 
開業時からずっと入居している今の事務所は上記の条件をすべて満たしていますし、すぐ近くに大きな公園もあって空気が良く、とても気に入っています。
事務所選びについて何が正解なのかは人それぞれですので、ご参考まで。

開業後に待ち受けていた現実

思い切って地元で開業して、
 
事務所の看板を掲げたら、
 
その日から電話が鳴り止まず、毎日大忙し!!!!
 
とはならず……
 
開業後半年くらいの間は、営業電話以外の電話はほとんどかかって来ず、仕事も地元の知り合いからの相談がチラホラがある程度で、完全に赤字でした。
暇を持て余しながら、朝事務所に来て、登記の勉強や書類の整理等をしつつ、日が暮れるのをただ待つだけの日々。
丸一日1件も電話が鳴らなかった日には、「電話回線が繋がっていないのではないか」と、自分のスマホから事務所に電話をかけてみたことさえありました。
 
そんな私がどうやって仕事を増やしていったのか。
 
今思えば、「ひとつひとつの仕事に真剣に向き合い、キッチリこなしていく事」が何よりの営業だったように思います。
実のところ、当時の私は未熟だったため、目の前の仕事をこなすのに必死にならざるを得なかっただけなのですが、その積み重ねが今に繋がっていると感じます。

主な取扱業務

当事務所の主な取扱い業務は、

①相続登記

②土地建物の名義変更登記

③会社法人登記

の3つ。
 
地方での開業と聞くと、農地の売買ばかりやっていると思われる方もいるかもしれませんが決してそんなことはなく、多種多様なご依頼がまんべんなく舞い込んできます。
幅広いニーズに応えられる対応力が求められると感じています。
(ちなみに私の事務所の特色としては、県内の他の事務所と比較すると、法人登記や事業承継のご相談が多いみたいです。)

最後に

司法書士の仕事は、「AIに取って代わられる」と言われて久しいですが、将来的なことはさておき、今のところまだまだ社会に必要とされていると感じています。
 
とはいえ、地方では大儲けは見込めないですし、都会のような取扱額の大きな案件は少ないです。
中には、それを物足りないと感じる方もいるかもしれません。
 
ただ、これまで述べてきたとおり、地方開業は成長とやりがいを感じやすいのが魅力です。
なので、ストレス耐性の低い人でも楽しく仕事していける環境が整っているのではないでしょうか。
 
というのも、士業は重い責任が課せられている上、そこに人間関係や経営の悩み等々、様々なストレスがのしかかってきます。
それらメンタル面のリスクを減らす努力も必要になってくるわけでして、その手段のひとつとして「地方での開業」いや、「宮崎での開業」という選択肢があるのです。

私は気力と体力が尽きるまで、宮崎で司法書士を続けていきたいと考えています。
 
もし、どこで開業すべきか迷っている人がいたら、今すぐソラシドエアで宮崎行きのチケットを予約してください。
おいしい食べ物と焼酎、そして、映えて映えて仕方がないフォトジェニックな青い海が、あなたを待っています🌴

【執筆者紹介】

司法書士 早日渡 圭一郎
(はやひと司法書士事務所)

〒880-0877
宮崎県 宮崎市宮脇町89番地7-102

■事務所ホームページ

■宮崎県移住・UIJターン情報サイト「あったか宮崎ひなた暮らし」

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