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司法書士事務所でのいじめやパワハラを撃退する方法

はじめに

ワシは旧ツイッター(現「X」)で約11000人のフォロワーを有する弁護士やで。
匿名で活動してるけど本物の弁護士やで。
2018年9月16日(土)に以下のツイートを行ってん。

「いじめ、依頼されたらここまでやるぞ!
 いじめる奴は覚悟しとけ!
 (1)加害者の刑事告訴
 (2)加害者本人、場合によっては親権者への損害賠償請求訴訟提起
 (3)公立学校の場合は国家賠償請求、私立学校の場合は学校への損害賠償請求
これ拡散すればいじめ減るかなあ。減ってほしいわ。」

これが拡散に拡散を重ね、現時点でリツイート約10.3万件、いいね約12.6万件になっとる。

そして、このツイートを見てくれ、その後もX上でやりとりさせてもらってるフォロワーの司法書士の方からお声がけ頂いて、今回、司法書士JOBサーチにコラムを掲載していただくことになってん。
それでは、早速、話していくで。

なぜ大人なのに、司法書士なのに「いじめ」「パワハラ」が起こるのか

対策を考えるためには、まず原因分析や。そこで、ワシなりに原因を分析してみるで。大体、(1)~(4)のどれか、又は複数のことが多いわ(ワシの独断やけど)。

(1)精神年齢が子供以下で「面白いから」「むかつくから」で行動する奴が思いのほか多い

(2)自己中心的な奴が多い

(3)感情(特に怒り)をコントロールできない

(4)仕事内・家庭内のストレス・不満が大きい

まあ、(4)はともかく、(1)~(3)のようなことは、これを読んでくれてる心優しい人たちとは、価値感が全く異なる人間や。

価値観が違って相いれない人間って多いねん。
「みんな仲良く」は幻想や。無理や。

だから、彼らに働きかけてどうこうしようというのは、人を傷つけようとしているライオンを言葉で制止するくらい、難しいことなんや。

いじめる奴、パワハラを行う奴の特徴

いじめる奴、パワハラを行う奴の多くは実はめっちゃ打たれ弱い。
「え、人にいじめとかパワハラとかしてるのに、自分がされると落ち込むの?」と思われるかもしれんけど、ほんま弱いやつ多いねん。すぐメンタル壊す。

基本的な方針

だから、対策としたら、こっちも強く出ればええ。
で、大切な事やから先にいうけど、「一人で頑張って強く対応しよう」と思わんでええんやで。
一人で頑張ろうとするとしんどい(そして、強く対応しようというのをあきらめて我慢してまう。そこに、奴らはまた付け込んでくるんや)。

何かと共に、誰かと共に、戦っていけばええんや。
世の中、いじめ、パワハラと戦う人の武器・味方は多いんやで。

撃退方法(1)司法書士会への相談

まず、最も身近な方法は、司法書士会に相談して、司法書士会に味方になってもらうことや。各都道府県の司法書士会には、苦情対応窓口(例えば、大阪司法書士会では大阪司法書士会市民窓口)が設置されとる。

主に、依頼者からのクレームや苦情に対応する窓口やけど、司法書士同士のいじめ・パワハラや司法書士から補助者等へのいじめ・パワハラも別に除外されてへん。
司法書士会の相談員に相談して、その結果をいじめ・パワハラの加害者にいうだけで、大分変わることもあると思うで。

「え、そんなことすれば退職に追い込まれる」って?解雇(使用者側の一方的意思表示)が認められるハードルは法律上めっちゃ高いからそうそうできひん。逆に、退職(被用者側の退職の意思表示)はすぐ認められてまうから注意やで。

撃退方法(2)懲戒請求

司法書士法49条は、「何人も、司法書士又は司法書士法人にこの法律又はこの法律に基づく命令に違反する事実があると思料するときは、法務大臣に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる」と定められとる。

同法2条は、「司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」と定められとる。

品位を保持しなければならない司法書士がいじめ・パワハラをするなどもってのほかや。悪質な事案であったら、懲戒請求すれば戒告も十分あり得る。

もちろん「何人も」懲戒請求できるんやから、同じ事務所の司法書士や補助者も懲戒請求できるで。

撃退方法(3)人権救済申立

日本弁護士連合会は、各単位会に「人権擁護委員会」を設置しとる。
人権擁護委員会では、人権侵害の被害者などからの人権救済申立てを受け付け、申立事実および侵害事実を調査し、人権侵害又はそのおそれがあると認めるときは、人権侵害の除去、改善を目指し、人権侵犯者又はその監督機関等に対して、警告等の措置等を行ってる。
法的な強制力はないけど、かなりの影響力はあると思うで。

撃退方法(4)民事訴訟

そして、何より、最初のツイートの通り、いじめ・パワハラの加害者は「故意又は過失」によって、「他人の権利又は法律上保護される利益を侵害」してるんやから、加害者本人に対し、民法709条に基づく損害賠償請求ができるで。

損害額はケースによって異なるけど、いじめ・パワハラによって心療内科などへの通院を余儀なくされたなどの場合は、かなりの損害額になる。
また、加害者が被用者で、業務上のいじめ・パワハラの場合、その使用者に対しても、民法715条の使用者責任に基づく損害賠償請求ができるで。

損害賠償訴訟を提起し、損害賠償の全部または一部を免除し、その代わりいじめ・パワハラの再発を防止することを加害者側に誓約させるような和解を目指すこともできるで。

一人で頑張ろうとするとしんどい。だからこそ、民事訴訟という武器を使うのが効果的なことも多いんやで。

撃退方法(5)弁護士による代理

今まで述べた撃退方法(1)ないし(4)、更には、交渉による解決(例えば、いじめ・パワハラの再発防止の合意など)を図るために、弁護士に依頼し、弁護士が代理して行ってもらうことも効果的やで。

特に、撃退方法(4)の民事訴訟については、自分の民事訴訟を自分で行おうとすると、ほんましんどい。第三者の専門家である弁護士に任せる方がええ。
弁護士は紛争解決の専門家や。確かに30分5500円程度の相談料がかかる場合も多いし、事件を依頼した場合は数十万単位の弁護士費用になってしまう。

ただな、車を修理する場合も場所によっては数十万するやろ。そして、当たり前やけど車よりも、自分の身体・健康の方が大事やろ。それやったら、大事な身体を守るため、弁護士費用を支払うことは、決して無駄ではなく、有益なお金やと思うで。

さいごに

ワシは法律に反することは許せんが、とくに、いじめ・パワハラは許せん。被害者の心を蹂躙し、深い傷を負わせる行為や。だから、弁護士としてできることはするし、他の弁護士もきっとしてくれると信じてる。

弁護士が味方になってやる。武器もできるだけ見つける。
悩んだら、まず、弁護士に相談やで!

おしまい

【執筆者紹介】

大阪名物パチパチ弁護士
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