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司法書士試験直後のご縁の見つけ方― 子育て後の50代・未経験からの第一歩 ―

はじめに

私は三人の男の子を育てる母で、令和7年度司法書士筆記試験に合格した室賀裕美と申します。
昨年、次男が高校野球を引退して土日が少し落ち着いた頃、「そろそろ仕事をしたいな」という気持ちが自然とわいてきました。司法書士試験の勉強で得た知識を、実際の仕事で試してみたいという好奇心もあったのだと思います。

ところが、私の住む県では司法書士事務所のパート募集はほとんどなく、気づけば本試験が目前に。
そこで「合否にかかわらず試験後から就職活動を始めよう」と決めて試験に臨みました。

試験が終わって二日後、憧れていた先生の事務所が求人を出しているのを発見。勢いで応募しました。今思えばお忙しい先生方に申し訳ないくらい無謀でしたが、それでも先生方は本当に温かく、多くを教えてくださり、質問にも丁寧に答えてくださいました。

入職には至りませんでしたが、この経験が「司法書士としてこれからどう歩むか」を真剣に考えるきっかけとなりました。

情報収集の日々

まずは司法書士JOBサーチさんの就職に関するコラムを読み込みました。
最初は理解が追いつかないことも多かったのですが、その後は本職の先生方のYouTubeやX、司法書士会のホームページなど、さまざまな媒体から情報を集めるようになりました。

各事務所のHPも比較して読み込むと、それぞれの事務所のカラーが見えてきます。
中には「カラーのないのがカラー」という事務所もありました。

AIにも相談しながら自分の希望や性格、強み・弱みを掘り下げるうちに、少しずつ方向性が見えてきました。

・将来は義家のある地で独立したい
・そのために実力をつけられる事務所で働きたい
・今の住まいからフルタイム勤務可能な範囲で事務所を探したい

こうして私なりの方針が固まりました。

就職活動スタート!

地元の求人はすべてエージェント経由だったので、まずはエージェントに登録しました。
一方で、JOBサーチさんで見かけた気になる事務所もありました。

去年からときおり求人情報は見ていたのですが、初めて見る事務所でした。
「なんかいいな、ここの事務所」という気がしたのを覚えています。

ただ「未経験・50代・合格未確定」の私を受け入れてもらえるのか不安で、なかなか応募できずにいました。

そんな時、エージェント経由で別の事務所の面接が決まりました。
「もしここで内定をいただいたら、JOBサーチ経由の事務所には応募しないまま終わってしまう。それはもったいない」と思い直し、思い切って応募フォームに「資格者・実務経験なし・50代以上」と入力して送信しました。ポチっとするだけでした。

すると、その日のうちに代表の先生から直接メールをいただきました。
合格推定でも応募できるのか、履歴書写真がまだ用意できていないことなどを正直にお伝えすると、即座にご回答くださいました。

ありがたいことに、これまでの経歴を高く評価いただき、独立希望や志望動機についてお伝えすると、うちの事務所で働く場合のメリット・デメリットを丁寧にご説明くださいました。

常に相手の立場に立ち、誠実に接してくださる姿勢に、自然と尊敬の気持ちがわきました。
勇気をもってポチっとしてから、約半日で面接日が決定しました。

メールを数回やり取りしただけでも「きっといい方だ」と安心でき、面接当日はほとんど緊張せず臨めました。
その場でいただいた内定は、私にとってまさに“ご縁”そのものと感じました。
1週間ほど熟慮した末に、このご縁をしっかりとつかもうと決意し、入職を決めました。

JOBサーチとエージェント、両方使ってみて

応募の手軽さ

【JOBサーチ】:応募フォームを入力するだけで完了。
【エージェント】:詳細な個人情報の入力が必要で、履歴書や職務経歴書を用意するのと同じくらい、かなり時間がかかる。

内定までの流れ

【JOBサーチ】:応募 → 書類送付(メール) → 面接 → 内定まで約1週間。
【エージェント】:登録 → 担当者と電話 → 紹介を受ける → 面接 → 内定まで約1か月。

使ってみた感想

【JOBサーチ】:応募フォームに氏名などを入力・送信するだけで応募ができ、こんなのでよいのかしらって思うほど、とっても手軽。所要時間約1分!

事務所と直接やり取りする中で、様々な情報を得られ、HPでは得られない生の事務所の雰囲気をつかみやすい。小規模事務所であれば、私のように先生のお人柄に触れられる場合もある。かつエージェントを通さない分、メール1往復のやり取りごとに日数が短縮でき、スピーディー。

30分の面接だけで、これから毎日働く事務所を決定することを考えると、直接応募して、自分との相性を図るための情報が増えるメリットは大きい。

勤務条件(給与・賞与・試用期間・終業時間・休日など)について、求職者目線での必要な情報が、詳細に記載され、写真も多く実際に勤務した場合のイメージがしやすいので、安心して比較検討したうえで応募できる。

就職に関するコラムを何度も読み返すことで、そのフェーズごとに新たな発見があり、業界未経験の私にとって、大変参考になった。

【エージェント】:年齢の制限をあまり感じなかったのは、エージェントの紹介の段階でお若い方を募集したい事務所ははじいてくれていたからかも。ただし先生のお人柄を知るのは面接からになるので、担当者との信頼関係づくりが必要であり、とても大切。ここで失敗すると取り返しがつかない可能性も。

おわりに

現在、事務所に入職し実務の荒波に飛び出したばかりです。まだ数日ではありますが、アタリの事務所に入ったと自信を持って言えます。ベテランの先生方に加えて若手の先生、そしてシゴデキの経験豊富な補助者の方々に囲まれ、日々精進しております。
ここで頑張っていれば自然と実力がついていくと確信しています。

比較的小規模で、先生の仕事ぶりが直接見られること、できれば複数の先生がいらっしゃること、業務内容の幅が広いこと、家庭との両立可能なことなどなど、欲張りな私の希望を全てかなえる就職先に出会うことができました。

今回の求人は、JOBサーチさんにしか掲載されていませんでした。大手法人であれば様々な媒体で求人情報を掲載していることも多くありますが、小規模事務所、とりわけ地方では、そもそも求人情報に出会うことが難しいこともあります。

ご縁をつないでくださったJOBサーチさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!!

50代・未経験での就職活動は、不安がつきものだと思います。司法書士試験に合格したからといって、すぐに不安が消えるわけではなく、わたしも「もし決まらなかったら即独立かも」と考えていました。

それでも今回ご縁をいただけたのは、情報を幅広く集め、自分を深掘りし、そして思い切って行動に移したからだと思います。

未経験であっても、人間未経験ではありません。
だからこそ勇気を出して一歩踏み出せば、新たなご縁につながるのだと実感しました。

私の体験が、これから司法書士事務所で働いてみたいと考えている方の“ご縁”を見つけるきっかけになれば嬉しいです。

【執筆者紹介】

令和7年度司法書士筆記試験合格者 室賀裕美
X(旧Twitter)アカウント

【勤務先】
司法書士法人山田事務所
〒271-0092 千葉県松戸市松戸1117
電話:047-364-6111(代)

司法書士法人山田事務所ホームページ
司法書士法人山田事務所の求人情報(司法書士JOBサーチ)

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