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司法書士法人の経営者として働くということ

司法書士加藤雄一の現在地

このコラムを書いている自分自身のことです。司法書士業務に20年以上取り組ませていただき、今後は自分の想いや考えを引き継いで社会に貢献していただける方を育てたいと考えています。

司法書士が活き活きと働ける場を作り、社会に還元していただきたいと思っています。新しく司法書士となった方が、この業界に失望することなく、難しい試験をクリアしたからこそできる仕事に集中して欲しいと思っています。そのための環境を作るのが現在の私の仕事です。

働き方について

一日のスケジュール

朝は7時ごろに起きてTwitterをしています。情報発信というよりも、司法書士の仕事は良い仕事だということと、偉い人や頭の良い人のような特別な人間だけができる仕事なのではなく、真面目に仕事をする人間(普段の生活は不真面目でも)ができる仕事だということを、世間の皆様や司法書士の方、これから司法書士を目指す方々に対して発信しています。

スケジュールの話からそれてしまいましたが、その後、予定が入っていれば、お客様のところに直行します。いったん事務所に入るという方もいると思いますが、無駄でしかないと思っています。そのぐらい東京は通勤が大変です。午後は事務所にいることが多いです。

案件の管理や、各種連絡を自分自身が最近では行うようにしています。事務所の顔である自分が積極的にお客様との接点を持つことが重要であるからと思っています。私がバリバリ働く姿を見せることで、スタッフの皆さんがいきいきと働けると信じています。

昔から夜は全員が帰るまで事務所に残っています。自分の仕事が遅いということもありますが、みんなが働いている中で自分だけが先に帰るというのがどうしても自分に合わないのです。

事務所の雰囲気作り

私自身は黙々と仕事をするということも好きですが、仲間で働いている以上はみんなで和気あいあいとしたいです。どうしても集中しなければならないときは、自分でコントロールして、所内の応接室などで一人になったり、平日夜や土日に対応するようにしています。

事務所の雰囲気を良い状態にするために、事務所内のルールにも気を配ります。上下関係や、ノルマ等があるとピリピリするといったことも発生してしまうので、そういうことが無いようなルール作りをしています。

土日の対応

土日は予約制で業務を行っています。勤務司法書士やスタッフの方は、採用時の約束どおりの対応となります。土日も働きたい方は、土日に働いて、他の人が働いている平日に休むといったことも可能です。

事務所としては、土日に営業している不動産会社さんなどとの取引もありますので、対応するようにしています。私が動けず勤務司法書士が対応する場合は、代休取得や有給休暇の取得を推奨しています。

オンとオフ

個人の考え方になりますが、私は仕事に対して常にオンで何か悪いのでしょうか?と思っています。たまに自分の意思でオフにしてしまえばよいわけで。自分の時間を作るのは自分です。勤務の方も自分で時間を作るようにしてもらっています。

子供が熱を出したり、家で急なトラブルが発生したりというのは生活をしている以上、当たり前です。各自がオンにすべきかオフにすべきか考えたり自由になることができる環境であることが大切であり、そういう環境を作ることが経営者のすべきことだと思っています。

各自がオンであり続けることを望んでいるのではなく、オンオフ切り替える自由を持てる環境を提供するということです。

法人の利益分配について

経営者の収入

私は事務所経営をしている司法書士なので、自分の収入をコントロールできる立場にいます。現在は法人が2期目に入ったばかりなので、自分の収入は一番最後と考えています。生活できる程度にいただければ十分です。

今後は法人に加わる方のためにも、法人自体の財務内容を良くしていきたいと思っています。ただ、働いている方たちに夢を持ってもらいたく、将来この事務所に残れば、このぐらい受け取れるのかと思ってもらえるような収入にしていきたいと思っています。

勤務司法書士の収入

勤務司法書士の方については、一般的な事務所よりも高くしておきたいと思っています。年収ベースで500万程度が東京の司法書士事務所の勤務司法書士の平均ぐらいかと思いますが、適正金額は700万だと考えています。

お客様もいて営業も行えるような司法書士だと、1300万ぐらいが適正だと思います。現在この段階まではとても到達していませんが、目標値として実際に支給できるように頑張りたいと思っています。

スタッフやパート等の補助者の方の収入

家庭の事情や、主婦(主夫)のため、あまり働けないという方もいると思います。その方にあった働き方というものがありますので、働きに見合った賃金を提供したいと考えています。司法書士でない方については、仕事の内容によって賃金が変わるような、同一労働同一賃金を目指していきたいです。

労働者の方は時間を提供しているという考え方がほとんどかと思いますが、雇用する側からすると、行っていただいた業務に対する対価だと考えています。

極端な例えですが、配送の個人業務の方は、1つ運ぶと○○円もらえるという契約をされているそうです。そういう業務委託的な働き方が良いのではないかなと考えています。

もちろん、作業単価を高くして、働く方にとって働き甲斐のある仕事にしたいです。

司法書士業務について

お客様の「?」に対応する

「司法書士はサービス業」として業務にあたっています。お客様からの報酬で事業が成り立っている以上、サービス業であると考えています。

そのため、いかにお客様の手を煩わせないかを念頭に置いて業務を行います。お客様としては、本来ならご自身でできることなのに、時間がかかったり、手間がかかったり、複雑で難しい手続きだったりで、「?」ばかりになると思います。

そんな「?」に対応するのが司法書士であり、「?」を「!」に変えていくのがこの業務のやりがいだと思っています。

司法書士業界の将来性

近年のデジタルの発展によって業務がAIにとって代わられるという話がありますし、業界によっては危機感を持っているところもあると思います。
将来は人口も減少していきますし、司法書士人口もどんどん右肩下がりとなります。

コロナが収束したウィズコロナの時代には外国人が再び多く日本に入ってきます。そんな時代には、司法書士の絶対数が足りていないと考えます。

多くの案件でも対応でき、専門特化していない事務所、ふらりと訪問しても対応できる事務所が生き残っていくでしょう。事実、司法書士業界では過払い専門の事務所は現在では形態を変えたり、縮小しつつあります。

AI化は我々の業務効率を良くするものであり、AIが司法書士にとって代わるというのは、行き過ぎの考えだと思います。AI化していない事務所は生き残れないというのなら事実だと思います。

司法書士の仕事があるのに司法書士自体の数が少ないということであれば、パイを奪い合うことにはならず、その業界で働く人々にとって明るい将来と言えるものと考えています。

【執筆者紹介】

司法書士 加藤 雄一
(アプリーガ司法書士法人)


〒160-0011
東京都新宿区若葉一丁目5番地15 竹村ビル4階
TEL 03-5357-7388/FAX 03-3355-3656
令和3年1月設立の法人事務所を経営。司法書士はサービス業とのモットーで日々の業務にも取り組んでいる。「なかよし相続」を提供し、業務の効率化に頭を悩ませる毎日

アプリーガ司法書士法人事務所紹介HP
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