4代目ってどんなイメージ?
皆さま初めまして。
兵庫県高砂市で開業している梅谷正太と申します。
記事に興味を持っていただきありがとうございます!
タイトルにもある通り私は4代目司法書士を名乗っています。
皆さんは、4代目に対してどんなイメージをお持ちでしょうか?
地盤が安定している?
仕事がある?
金持ちのボンボン!?
何となく安定的なイメージがあるかもしれませんが、私が開業した時、実は事務所はピンチに陥っていました。
当時、事務所は、父とそのスタッフ1名の2名体制。
「え?何代も続いてて?」
そうなんです。そんな状況だったんです。
初代~梅谷正太が開業するまで
営業が超苦手な土地家屋調査士の父は、司法書士の大叔父を含めて、何人かの司法書士の方々と連携しながら一緒に仕事をしていました。
ただ、私が司法書士になる少し前から、司法書士の方が一人また一人と病気で相次いで亡くなってしまいました。
最後までいた司法書士の大叔父も私が開業する直前にガンで亡くなってしまい、仕事のルートがなくなってしまっていたのです。
私が戻るまでは、梅谷事務所は典型的な昔の登記事務所でした。
曽祖父が創業した頃は、不動産決済自体が稀で、決済した日に売主・買主・司法書士などの関係者で宴会をしたとかしなかったとか。
結婚などのお祝い事のような行事だったんでしょうか。
現在、東播磨地域には約70名の司法書士がいます。
曽祖父の頃は3名くらいだったそうで、とても長閑な時代だったんだろうなと思います。
流石に父の代にはそのような風習は残っていませんでしたが、それでもバブルの影響もあり、不動産登記一本で事務所は代を重ねてきました。
梅谷正太が開業してから
私はと言うと、受験生の頃から、姫路の司法書士事務所に勤めていました。
合格後は、即登録をして、そのまま司法書士として勤務していました。
勤務していた事務所は、「弱者救済」に本当に熱心な事務所でした。
俗に言う”過払いバブル”には目もくれず、目の前の多重債務者を全力で支援する事務所です。
債務整理だけではなく、裁判業務も積極的に行っていました。私はそこで仕事のイロハや、債務整理、裁判業務、成年後見など、不動産登記以外の司法書士業務を叩きこまれました。
そんな経験を積ませていただいている最中に、大叔父が亡くなり、急遽お世話になった事務所を退職し、梅谷事務所に戻ってきました。
上記のように、当時の梅谷事務所には、父とそのスタッフ1名しかいませんでしたので、私含めて3名でスタートしました。
私はそれまでの経験を活かし、積極的に債務整理に取り組んでいきました。
多重債務で苦しんでいる方を支援し「ありがとうございます」と言っていただける、時に涙を流して感謝していただける仕事にとてもやりがいを感じていました。
また、当時は債務整理の黎明期だったこともあり、他の司法書士の方々が不得意な業務が出来ることも、自分の自信になっていました。
ただ、だんだんと世の中が過払いバブルと呼ばれるような状況になるにつれ、何となく債務整理が嫌になり、他の業務に取り組みたいと思うようになりました。
私には、あまり人がやらない仕事をしたい、せっかく難関資格を取得したんだから難しい仕事をしたい、そんな思いがありました。
そこで、司法書士業務の中で、受験生の時からやりたいと思っていた「成年後見」業務に積極的に取り組んでいく事に決めました。
試行錯誤の4年間を経て
成年後見業務に力を入れるようになったとはいえ、当時は寄せられる相談には何でも応えていました。
自分なりに目の前の仕事に一生懸命打ち込んでいましたが、とにかく仕事が忙しく、朝から晩まで働く毎日でした。
なのに、事務所の経営状態は苦しく、スタッフの給料は上げられないし、正社員も雇用できないし、自分はいつまで経ってもバタバタと忙しい。
4年くらいそんな状態が続きました。
「このままではいつかダメになる。何とかしなければ・・・」と思いながらも何ともならない4年間で、本当に苦しかったことを覚えています。
このままではジリ貧です。腹をくくって、新しく成年後見専門のスタッフを1名、翌年にもう1名雇用し、成年後見に全力を注ぐようにしました。
その結果、介護福祉関係の方々から「梅谷事務所を知らなかったらモグリですよ 笑」という笑い話までしていただけるようになっていきました。
※事務所の経営に関しては、これまで開業してから本当に試行錯誤を繰り返してきましたが、今回のお題とは少し異なるので、割愛します。
スタッフみんなが輝ける事務所を目指して
司法書士業界は、代表の先生が表舞台に立ち、スタッフの皆さんは縁の下の力持ち、というイメージがあります。
私はこういう業界を変えたいと思って事務所運営をしてきました。
事務所のスタッフ全員が主役になり、仕事にやりがいを持ち、積極的に業務に取り組める事務所です。
こう思ったのは、成年後見業務で社会福祉士を採用し、彼女がご本人に関わる姿を間近で見た時です。ごく自然にご本人とコミュニケーションを取り、すっとご本人の気持ちを理解し、私じゃ気付けない微妙な変化に気付ける。
身上監護という点で、私よりも彼女の方が圧倒的にレベルが高い。
ご本人にとって、より良い支援が出来ると感じました。
彼女だけではなく、スタッフ一人一人がそれぞれ優れた長所を持っています。
私よりも正確に書類作成が出来るスタッフ、私よりも上手に相手の本心を聞き出せるスタッフ、私よりもはるかに速いスピードで業務処理が出来るスタッフ、それぞれが長所を活かして、チームとして依頼者に関われたら、きっと依頼者のためになる。そう思っています。
これからも変化し続ける
4代にわたって続いてきた弊所も、目まぐるしいスピードで変化する世の中に合わせて、変化し続けないといけないと強く感じます。
これまで、業務自体の変化もありましたが、仕事のやり方も変化しています。
今も「紙」が中心のこの業界ですが、DXにも積極的に取り組んで、所内でチャットツールを導入したり、書類をPDF化してクラウドにバックアップを取ってみたり、kintoneを導入してみたり、試行錯誤は尽きません。
コロナによって、zoomが当たり前になり、海外との連絡も容易になりました。
これからも気を緩めることなく、変化し、成長していきたいと思っています。
長文をここまで読んでいただきありがとうございました。