ここでは司法書士がサービスを提供する対象となるクライアントには、どのような種類があるのか見ていきましょう。
目次
クライアントの種類
大きく分けて2つの分類ができます。
(参考:株式会社コンサルティングファーム発行「司法書士実務ガイドブック-司法書士のビジネスモデルと業務-」)
まずは、新人司法書士のみなさんにも分かりやすいのが、我々が直接的に業務の依頼を受ける「エンドクライアント」です。
エンドクライアントとは、例えば、ホームページなどから直接相続登記を依頼する相続人や抵当権抹消登記を依頼する不動産所有者、役員変更登記などを直接依頼する企業などがあげられます。
もうひとつは、自分達は直接のサービスの受け手ではないけれど、司法書士に仕事を紹介してくれる「チャネルクライアント」です。
チャネルクライアントの例としては、自分達の本来業務から発生する案件を紹介してくれるような、不動産会社、金融機関、他士業などです。
また、このチャネルクライアントの中でも、細かな分類ができます。
不動産会社の分類としては、不動産仲介業者、マンションデベロッパー、建売業者、工務店、ハウスメーカーなどいろいろな種類があります。
金融機関では、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、信託銀行、JA、政府系金融機関、ノンバンクなどがあります。
また、他士業は、弁護士事務所、会計事務所、社労士事務所、行政書士事務所、土地家屋調査士事務所などがあります。
クライアント別に発生する業務
司法書士はこのエンドクライアントとチャネルクライアントから、いろいろな業務の依頼を受けますが、クライアントごとにどのような業務が発生するのか、代表的なものを簡単に挙げておきます。
【エンドクライアントから依頼を受ける業務】
・不動産売買の立会い
・売買、贈与による所有権移転登記
・住宅ローン完済による抵当権抹消登記
・相続登記
・個人間の贈与登記
・遺言書の作成サポート
・会社設立登記、役員変更登記、定款変更登記、増資・減資の登記
・法務顧問
・成年後見業務
・相談業務、内容証明郵便作成、訴訟代理
・債務整理 など
【チャネルクライアントから依頼を受ける業務】
① 不動産会社
・不動産売買の立会い
・売主の住所移転に伴う所有権登記名義人住所変更登記
・売主の(根)抵当権抹消登記
・買主の所有権移転登記、住宅ローンがある場合の抵当権設定登記
・不動産所有者が被相続人名義のままであった場合の相続登記
・売主が認知症の場合の成年後見申立
・新築建物の所有権保存登記 など
② 金融機関
・ローンの完済による(根)抵当権抹消登記
・新規融資に伴う(根)抵当権設定登記
・借り換えに伴う(根)抵当権抹消登記、(根)抵当権設定登記
・既存根抵当権の変更登記(極度額増額、債務者変更、債権の範囲の変更)、
全部譲渡、分割譲渡、順位変更
・取引先の相続登記(信用金庫など)
・不動産売買の立会い
・工場抵当、工場財団抵当
・債権譲渡登記、動産譲渡登記
・信託登記、受益権売買による変更登記(信託銀行) など
③ 他士業
・相続税申告後の相続登記(会計事務所)
・新規クライアントの会社設立、法人設立登記(会計事務所)
・既存顧問先の会社変更登記(各士業事務所)
・合併、会社分割、組織再編手続き(会計事務所、弁護士事務所)
・株式譲渡・贈与の手続き(会計事務所、弁護士事務所)
・調停、和解、判決後の不動産登記手続き(弁護士事務所)
・所有権保存登記(土地家屋調査士事務所) など
④ その他
・リーガルサポートからの紹介による成年後見業務
・葬儀社からの紹介による相続登記 など