はじめまして。司法書士さえき事務所の代表司法書士の佐伯知哉と申します。
東京都町田市で司法書士事務所を開設して今年で9年目になります。
独立前は神奈川県横浜市内の司法書士事務所で3年程勤務していました。
この勤務中に司法書士試験に合格し、現在に至ります。
この記事をお読みいただいている方は、すでに司法書士試験を目指しているか、これから目指そうと検討している方で、司法書士事務所に勤務しながら受験をすることについてお知りになりたいのだと思います。
そこで、私の経験を基に、司法書士事務所に勤務しながら受験するメリットや仕事をしながら受験することについて書かせていただこうと思います。
司法書士事務所に勤めながら受験するメリット
私が司法書士事務所に勤めながら受験することを選択した理由はシンプルです。
合格すればいずれ実務をやるのだから勉強と並行した方が効率が良いという、この一点に尽きます。
でも、合格後の新人研修に参加した中で色々な合格者と受験のことや境遇の話しをしましたが司法書士事務所に勤務しながら司法書士試験に合格した人はそれほど多くありませんでした。これはどうしてでしょうか。
おそらく、受験勉強の時間が取れないという考えの人が多かったのではないでしょうか。
確かに、当時の多くの司法書士事務所の労働環境は決して良いものとは言えなかったかもしれません。
いわゆるブラック企業に認定されてもおかしくない事務所も多かったと思います。
私も司法書士事務所への就職活動をしていたときに、一つ目に面接をしてもらえた事務所の所長から「うちはお客様第一なので休みはない」と断言されて、引いたのを覚えています(笑)。
幸いその事務所から内定はもらえなかった(嬉)ので、二つ目に面接を受けた事務所に就職することができたのですが、この事務所も決して楽な事務所ではありませんでした。
不動産売買に関係する登記手続きを中心に行う、いわゆる決済事務所だったので、月末付近になれば終電でも帰ることができず、夜中の2時3時にタクシーで帰宅して2~3時間寝たら出勤ということも珍しくないような状況です。
ただし、たまたま私が就職した事務所が激務だっただけで、司法書士事務所=激務ということにはなりません。
結局のところ、事務所によるので、これは司法書士事務所以外の一般企業に就職した場合でも同じではないでしょうか。
仕事はせずに受験勉強一本の専業受験生でなければ、司法書士事務所に勤めていようが、一般企業であろうが仕事による拘束時間が発生するというデメリットは同じです。
また、最近の司法書士事務所は規模を問わずにかなりコンプライアンスを意識した経営を行っている事務所が多い印象です。
一昔前のように、夜中まで帰れない、サービス残業当たり前、休日出勤当たり前、飲み会は強制参加といった時代ではなくなってきています。逆にこういった事務所は良い人材が残らずに淘汰されていきます。
そうであれば、合格すればいずれ行う実務を先行して経験でき、試験勉強で得た知識と実務の知識がリンクする司法書士事務所に就職する方がメリットは大きいと思いませんか。
仕事をしながらの受験勉強について
前述のとおり、司法書士事務所に勤めながら受験するメリットはありますが、仕事をしながらの受験勉強は専業受験生に比べて時間的に不利なことは否めません。
試験に合格することだけ一点にフォーカスすれば専業受験がベストだとは思います。
ですが、既婚者で家族を養わなければならなかったり、自分自身の生活のこともあるので誰しもが仕事をしないで勉強だけに専念できる環境ではありません。
ですが、逆に考えると一度合格してしまえば、司法書士事務所に勤めている経験が即活かせるので、いきなり実務に対応できます。
専業受験であれば、合格してから実務を習得していきますが、司法書士事務所に勤めながらの兼業受験であれば勉強と実務を同時並行で進められるので、一人前の司法書士になるまでの期間は専業でも兼業でも実際はそれほど変わらないかもしれません。
ちなみに司法書士事務所に勤めていれば合格後の新人研修も余裕です。
新人研修では模擬決済のようなこともやるのですがイキリ倒せます(笑)。
さて、少し勉強方法にも触れておきます。仕事をしながらの受験勉強のキモは効率です。
時間が限られている中で、専業受験生にも勝たなければならないので本当に効率命です。
ポイントは3つあります。
① やることを絞る
② 教材の使い方のコツ
③ 科目全体の回し方のコツ
私はYouTubeをやっているのですが、これらのポイントの詳細は、動画内で語っていますので興味のある方は動画を確認してみてください。
文字で書くとすっごく長くなるのでYouTubeでアップした動画に譲って手抜きします(笑)。
動画だと10分程度なのでざっと流し見してください。
最後に
司法書士事務所に勤務しながら司法書士試験に合格することは決して難しいことではないので、是非頑張っていただきたいと思います。合格後は有資格者として即戦力になれます。
これから司法書士事務所に勤めながら勉強を頑張ってみたい方は採用面接の時によく業務内容や条件を確認してください。
他にも、最近はSNSをやっている司法書士も多いので、そのアカウントを確認してみても良いでしょう。
その人が普段どういったことを発信しているのか、どういう考えの人なのかということが良く分かると思います。
皆さんが良い司法書士事務所と巡り会い、素晴らしい司法書士となって実務の世界でお会いできることを楽しみにしております。