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20年の経験から思う司法書士業務の魅力と面白さ

はじめに(自己紹介)

はじめまして、栃木県足利市で開業している菊池健一と申します。
私は平成13年の試験に合格し、平成14年7月に登録したので、業歴が20年を超えたところであります。

私の事務所は、祖父の代から続いており、現在は父と一緒にやっております。そのため、登録当初からアドバンテージがある状況なため、会務や地元地域団体の活動にも取り組まないと周囲の方から認めてもらえないのではないかと考え、できることをやろうというスタンスで取り組んできました。

現在、事務所には資格者である父と私、補助者として母がおり、業務も回すことができているため求人は出していません。ただ、この状況がずっと続くとは考えていないので、いずれは求人を出そうと考えております。

この度は「20年の経験から思う司法書士業務の魅力と面白さ」というテーマでお話をしてほしい旨を賜りましたので、司法書士業務のことだけでなく会務のことや地元地域団体での活動も含めてお話しようと思います。

司法書士業務の変わり目

私は平成13年の試験に合格したので、試験科目には憲法はありませんし、不動産登記法は改正前、会社法ではなく商法でした。そのため、司法書士登録後は特別研修と簡裁訴訟代理等関係業務認定考査から始まり、不動産登記法改正及び会社法施行、そして民法改正と司法書士業務を取り巻く制度が目まぐるしく変わりました。

そのため、不動産登記及び商業法人登記業務だけでなく、債務整理に取り組み過払いバブルの流れに乗りましたし、過払いバブルが終焉後は、簡易裁判所管轄の訴訟代理や民事調停の当事者代理人の依頼が数年ごとにあるので簡裁訴訟代理等関係業務認定も無駄にはなっていないですね。

不動産登記法や会社法などの法律が改正された際には、逆にチャンスだと考え、取引先の不動産会社や金融機関、会計事務所などに改正点を簡単にまとめたものを配布して簡単に説明するなどしていました。

昔の司法書士は事務所で「ドン」と構えているイメージが強いですが、私は、提供できることは自分から提供しようという考えのもとこのようなことをやってきた次第です。恵まれた環境にいる分、自分から率先して何かやらないと後ろ指を指されるのではないかという強迫観念があったからかもしれないですね。

ただ、司法書士として「ドン」と構えて待つだけでなく、司法書士として何らかのアクションを起こしていくことが強く求められるようになったのが、ちょうど簡裁訴訟代理等関係業務認定や不動産登記法改正、会社法施行の頃だったと思います。

司法書士業務の魅力と面白さ

司法書士業務自体、華やかさはなく地味な感じが強いです。登記や訴訟、成年後見、財産管理などに分かれますが、どの業務でも1つの案件にポイントが複数あると思います。そのポイントを1つ1つクリアしていけば、だいたいの案件は最終的に解決するはずです。

そう、正しい方法で取り組めばだいたいの案件は解決するのでそれが司法書士業務の魅力と面白さの1つかも知れません。これって、司法書士試験と同じですよね。

会務や地元地域団体の活動

私の会務歴及び地元地域団体での活動歴は以下の通りです。

司法書士会

①本会委員
・研修委員会
・相談事業運営委員会
・調停センター運営委員会

②支部役員
・支部会計
・副支部長
・支部長

③本会役員
・常任理事(企画)
・常任理事(総務・経理)
・副会長(総務・経理)

④その他
・関東ブロック新人研修会講師

関連団体

①栃木県司法書士政治連盟副会長
②リーガルサポートとちぎ支部幹事(研修担当)
③栃木県青年司法書士協議会会長

地元地域団体

①足利市空き家等対策協議会
②足利市建築審査会
③足利テニス協会
・評議委員
・理事(評議委員推薦)
・監事
④その他
・中学の同窓会幹事

司法書士登録してすぐに地元司法書士会の研修委員会に誘われ、入りました。最初の数年は見習いのような感じで隅っこにいるだけでしたが、いつしか研修の企画や講師の手配や講師との折衝を任されるようになっていました。

そして、気付いたら研修委員長になり、研修委員会の主のような存在になってしまいました。

最終的には6期12年務めました。他の委員会は、支部長や研修委員と兼務で手が回りきらず任期途中でドロップアウトしてしまいましたが、研修委員会は最後までやり切ることができましたね。

また、関東ブロック新人研修会の講師ですが、平成17年度から令和元年度(平成31年度)まで15年間務めました。これだけ講師を務めると人前で話すのが苦ではなくなりますね。本会の役員になるタイミングでお役御免になりましたが、300~400人の受講生の前で講義すること自体、良い経験になったと思います。

他には支部役員を務めた上で支部長として3期6年務めました。支部長時代には支部統合というミッションを課せられたので、合併先の支部役員とあれこれ話し合いを重ねた上で合併に漕ぎつくことができました。

合併後の新支部でも1年間支部長を務めて足場を固めた上で、次の支部長に支部のことを託し、本会の役員になりました。

本会の役員ですが、最初に企画部担当常任理事として、主に空き家問題に取り組み地元司法書士会と県内自治体との協定締結に向けて折衝を重ねました。私が企画部担当常任理事の時に、いくつかの自治体と空き家対策に関する協定を締結することができました。

その流れで、地元足利市の空き家等対策協議会及び建築審査会に入り、現在も所属しております。

その後、総務担当常任理事を経て現在は総務・経理担当副会長を務めております。これだけ変化の激しい世の中で、司法書士制度自体が揺らいでいる今こそ、会員に対し会務への積極的な参加が求められていますが、そうはいかないのが実情です。

本会の役員として会議のやり方で改善点があれば改善し、良いところがあれば生かしていくことになりますが、1人でも多くの会員の会務参加が求められているのが現状であります。

会務以外の地元地域団体での活動として、足利テニス協会の役員も務めています。テニスは司法書士業務とは全く関係ない趣味の世界でありますが、所属するクラブの役員はもちろんのこと、テニス協会役員も務めることになってしまいました。

私自身は青年会議所(JC)や商工会議所の青年部にも入っていないです。その分、テニス協会の役員くらいはやっておいてもいいのではと割り切って、数ヵ月ごとに開催される評議委員会や理事会に出席しております。

趣味の世界の延長線上なので、肩肘を張らずに出席できていますが、時々、司法書士として意見を求められることがあるため、その時はそれ相応の対応をするようにしています。

中学の同窓会幹事ですが、こちらは私のクラスだけ誰もいないということで、私のところに話がきました。私が通っていた中学校はいわゆるマンモス校だったので、他のクラスの同級生に関しては同じ高校に行った同級生くらいしか分からず、最初に幹事会に顔を出した時は不安でしたが、自営業かつ地元で働いている方が多かったことと、同じ釜の飯を食べたこともあり馴染むことができました。

おかげで、同窓会の後も付き合いが続き、仕事を依頼してくれたり、お客さんを紹介してくれるだけでなく、相談を受けたりするようになりました。

このように、いろいろなところに顔を出していると人間関係が広がり、それに伴って仕事の依頼や紹介、相談事を持ちかけてくる方が少しずつ増えてきます。私の環境は恵まれていますが、地元足利では少子高齢化が急速に進んでいるので、いろいろなところに顔を出して人間関係を広げる必要はあります。

ゆえに、事務所に籠もっているだけでなく外に出てみることもお勧めします。

最後に

私自身、1から始めた訳ではないので、参考にならない部分が結構あると思います。ただ、会務や地元地域団体での活動などで、事務所の外に出る必要があるのは、本稿をお読みいただいた皆様にも言えることだと思います。
遠回りに見えるかもしれませんが、事務所の外に出てみてはいかがでしょうか。見たことがないことが結構あるものですよ。

長々と書いてしまいましたが、お読みいただいた皆様にとって少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

以上

【執筆者紹介】

菊池司法書士事務所
司法書士 菊池 健一

〒326-0056
栃木県足利市大町13番地13
TEL:0284-41-4321
FAX:0284-41-4469

ホームページ
https://sites.google.com/view/kikuchishihousyoshijimusyo

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